あずさジャーナル
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ヒューマニズムを諦めないために

2019.04.23

統一地方選が終わり、新しい議会のメンバーが選ばれました。社会民主党の仲間たち、そして私が応援していた候補者のかたへのご声援を賜り、誠にありがとうございました。

こちらのホームページで皆様に向けて文章を綴らせて頂くのもあとわずかですが、お別れの前に少し、今後の目標などについて書いてみたいと思います。

市議会議員として、「佐藤あずさ」として働くなかでいつも心に置いていたのは「信念のあるところに希望が生まれる」という言葉でした。

これは私自身が作った言葉で、エーリッヒ・フロムの著書『希望の革命』の一節に由来しています。
希望とは、信念にともなう「気分」のことであるーー。つまり絶望というのは信念をなくしている状態、信念をもっていさえすれば希望は失われない、そういう思いで座右の銘としていました。

大袈裟なようですが、定数40の市議会で社民は1議席、自民公明が圧倒的なパワーをもつ議会で仕事をさせて頂くのであれば、敗北の連続だろう、いかに「絶望」せずに頑張り切れるか、と心配でした。そんな自分を励まし鼓舞するために作った座右の銘でしたが、4年経ってみて振り返ると、あらゆる場面で私を「よし、まだいける。まだ私は元気」と自己確認させてくれた言葉でした。

私はエーリッヒ・フロムの研究をするぞというのが10年来の夢なのですが、この4年間は落ち着いて本を読むこともままならず、頭の中が実務的なことや人間生活の生々しい悩みやトラブルへの対処で占められていたため、「研究」のケの字もありませんでした。ダラダラと続けていた言語学のほうの修士課程を何とか終えたくらいで、その後も念願の学問である社会学のほうはまともに勉強などできておらず、ドイツ語の力も大変な劣化ぶりです。

なぜフロムか、と言われればそれは、フロムは人間が生きとし生けるものを愛するための社会的な条件を模索し続けた人、マルクスからヒューマニズムの要素を取り出そうと試みた人、人間にとってのユートピアを思い描き続けた人だと思うためです。私が10代の頃から追い求めている「人間を攻撃的にさせる要因は何か」「人間が自身の攻撃性をコントロールし克服できるためにはどうしたら良いか」という問いへの答えを、フロムの思想のなかに見つけられたら、と願っているためです。

最初の関心はヒットラーでありナチス・ドイツでありましたが、もっともっと自己の内面を掘り下げていくと、「誰もが狂いうる世界はどうして存在しているのか知りたい」ということだったように思います。家族との不協和な関係であったり、幼児の無邪気な残酷性であったり、我々の中にあらゆる「攻撃的なるもの」「死や破壊への親和性」が育ってしまうことの意味は何なのか?ということを私は知りたいのだと思います。

世代的な話で言えば、オウム真理教の一連の事件が幼い頃の「衝撃の事件」であった世代の人間であるということも影響しているように思います。個人とその人を取り巻く環境、社会の歪みがなぜ起こりうるのか、ということを強く意識しだしたきっかけの事件でした。個人の抱える「傷」と社会との関係に着目するようになったのは、オウムをはじめとした90年代の衝撃的な事件の数々がきっかけです。

このことは、10代の私に「研究者になってこのことを考えよう」という目標をもたらし、学生時代には「実際の事件を現場で取材して、その原因を分析して社会へメッセージを送る仕事に就きたい」に一時的に変化しました。NHKに拾ってもらって記者となり、事件現場や裁判の取材を通じて思ったのは「社会システムのエラーが個人を追い詰めるのだ」ということでした。その頃にはぼんやりと「社会システムのエラーを改善するのは政治の仕事なのでは」と考えていたように思います。

政治の仕事を4年間させて頂いて、非常に多くの方々との出会いや交流をさせて頂き、社会の「不条理」やら「やるせなさ」を身体感覚として経験した上でいま再び思うのは、「より良い社会とは何か」ということを根本から考え直したいということでした。振り出しに戻る、という感覚です。

さて、私は来月から毎月自分に「課題図書」を課して読書に励もうと思っています。濁ってしまった頭では当分、一冊読むのにも相当な時間を要して苦労することになると思いますが、投げ出さずに取り組みたいなと思っています。

フロムの著作は邦訳の出ているものは8年前にすべて収集済みなので(集めただけで、まともに最後まで読めているのは10冊にも満たないです、しかもただ「読んだ」だけ)、これからしばらくは自宅の「フロム本棚」と丹念に向き合いたいです。

最初の「課題図書」は、フロムが編者となった論文集の『社会主義ヒューマニズム(上下巻)』としたいです。

私は最近、ネガティブなことばかり考えてすっかり「嫌な奴」になっていたので、ここらで軌道修正し、元気な、生きとし生けるものを愛せるような、そういう自分となれるよう鍛錬をしたいです。

 

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