あずさジャーナル
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あと半年/改選後に議会を担う人に求めたいこと

2018.10.21

都市計画審議会の資料が届いたので、この週末は関連資料の読み込み。

諮問案件とは別に、報告事項としていよいよ「『立地適正化計画』の策定について」が上がってきた。今回は中間報告。

これは昨年度から注視している新たな都市づくりのビジョンで、市の目指す方向性と実際の土地利用の手法を慎重に見極める必要のある、極めて重大な案件である。

地方では既にこの計画を策定・実行している自治体が数多くあるが、その中間的な報告や課題が論文としていくつも上がり始めている。

八王子市は「人口が急激に減少する地方都市とは異なる、超高齢社会に対応した『東京圏郊外都市』としての基本方針」としているのだが、言うまでもなく、地方都市(特に地方中核都市)の先行事例から学ぶべきことは多い。

八王子でこのプログラムをすすめる所管には大変に優秀な職員の方々が集まっておられ、当然そうした先行事例については分析しておられるはずであり、まさに市の頭脳と私は個人的に思っているのだけれども、都市計画は生き物だからこそ「計画」「想定」通りには進まないこともまた現実であると思う。

市議会ではまだ目立った議論にはなっていないのだが、私や西部地域を地盤とする自民党の議員の方々が質問で取り上げている。

立地適正化は少子高齢・人口減少社会に対応した都市づくりが目的なのだが、一歩間違えば過疎化の進む地域はより孤立することにもなりかねないと私は危惧している。

というのも、実は私の故郷・岐阜県関市は既に立地適正化をスタートしているのだが、私の実家のあるエリアは居住誘導エリアからも、もちろん都市機能誘導エリアからも「圏外」で、不便さは解消される見込みもなく過疎化は進むばかりなのである。

追い討ちをかけるようにこの夏の台風と豪雨で甚大な被害も出ており、災害リスクをいかに差し迫ったものとして行政、住民とが実感できるかなど、計画と実際の地域生活とにギャップがあると感じる。

もちろん、地方と八王子を単純に比較することは適切ではないのだが、地方は八王子がいずれ行き着くであろう「未来の姿」を示しているとも言える。

私は立地適正化を進めるのであれば、「福祉機能」及び「防災機能」を核として地域の拠点を考えていくほかないと考えるのだけれども、これらは人口分布や現在の交通ネットワーク網を眺めているだけでは実効性のある計画は立てられないと思う。市は「地域特性に応じた機能集積」という考え方を示すのだが、現在の「地域特性」に応じたやり方ではまずい。

むしろ、不便さの大きい地域にこそ福祉的な機能の整備・投資をして、広い市域のなかにミニ・コミュニティがいくつも点在して栄える、それを交通ネットワークがつなぐ、という形を目指すべきではないかと考える。

私は大規模住宅団地の再生がひとつの手段になると考えるので、団地を「拠点」と位置付けたコミュニティ再生を提案してきたのだけれども、なかなか市側には届かない。住宅政策そのものは、八王子市はとても力が入れられており期待しているのだが、都市計画との連関となると難しい。

私の任期はあと半年だけれども、立地適正化計画が策定され実際にスタートするのは来年度、あるいは再来年度以降である。

改選後、市議会で大きな議論となるのは間違いなく、都市計画や福祉施策に精通したかたが論戦を張らねば、市側も大変な思いをするのではないかと感じる。何より、市民の皆さんの将来そして日々の生活や所有する土地や家屋などの資産価値にも大きく関わってくる問題であると思う。

更に、これは私の個人的な感覚だが、いわゆる「家父長制的コミュニティ」の感覚を良くも悪くも長年味わってきた人ほど、この立地適正化計画の難しさがわかるのではないかと思う。私は故郷に山や田畑、家屋など「“負”動産」となった「先祖代々のもの」を残してきているから、身を切られるような思いでこの計画に向き合ってしまう。

地域の疲弊を肌で感じ、長年その土地に暮らし続けている人に、市議会に出てほしいと願う。

そうした生の感覚のしっかりとある人に、都市計画と福祉の制度を徹底的に学んでもらって、議論をしてもらわなければ、この広い八王子の都市づくりはうまくいかないのではと憂えてしまう(もちろん自分にそうしたことが出来ているとは思っていない)。

私は残り半年、計画が本格的にスタートする前に、最低限の論点を洗い出すことを目標にして頑張りたい。

改選後、残った方々や新たに議員となった方々に「そういえば佐藤があんなことを言っていたな」「会議録を検索したらこんな論点が出ていたんだな」と想起してもらうのがせめてもの狙いというか、私の「爪痕残し」である。

私ごときに何が出来るのだろう、とも思うのだけれど、任期の最後に向き合う仕事に、自分の「地方と都会とに引き裂かれているアイデンティティ」が役立つといいなと思っている。

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