あずさジャーナル
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地方議員になった理由

2018.09.27

本日配信された朝日新聞の記事によると、三菱電機の男性社員5人が、長時間労働が原因で精神障害や脳疾患を発症して労災認定され、うち2人が過労自殺していたことがわかったという。5人のうち3人に裁量労働制が適用されており、過労自殺した社員も含まれていたことから、社は労災認定が直接のきっかけではないとしながらも、今年3月、約1万人の社員を対象に適用していた裁量労働制を全社的に廃止したのだという。

現政権がどんなに誤魔化しても、こうして現場では命が失われてしまう。労働者のための働き方改革ではないからだ。企業側、もっと言えば資本側にとって都合の良い「改革」だからだ。
今後、三菱電機のように自ら姿勢を転換する企業がほかにも現れるのではないか。そうでなければ、大切な働き手をどんどん失い、企業そのものも成長どころか維持、存続が危ぶまれていくからだ。
労働者の声を無視した改革など、何の「成長」ももたらさない。安倍政権は結果として、自らの首を絞める法整備ばかりしてきたのである。
人間の命と生活が脅かされることと引き換えに得られる「成長」などいらない。そんなまやかしの未来などではなく、安心して働ける環境、適切な賃金が支払われること、家族を、そして自分自身を守ることのできる生活水準が保障されることを私たちは願っている。
一部の大企業だけが利益を上げても、私たちの暮らしは豊かになどならない。安心して暮らせる社会になどならない。

法人税をはじめとした税制度の見直し、社会保障制度の抜本的な見直しを抜きに、経済成長による豊かさの獲得なんて、幻だと思う。

地方議員として仕事をしていると、このことが深く実感できる。あらゆる施策が国の方針と制度に基づいており、税に関することにしても地域経済においても、福祉の領域においても、自治体の努力だけでは変えることのできない構造ができてしまっていることがわかる。

愚かな政権が続けば、結果的に地方自治体も振り回され、疲弊し続ける。国が、政権が変わらないといけない。言わずもがな、私は現政権のやり方、考え方とは真っ向から対立する立場である。

時々、「地方議会に政党の論理を持ち込まないでほしい」などと言う人がいるが、私はそれは違うと思っている。どんな思想のもとどんな社会を目指していて、どんな手段を取るかということを示し実行しているのが政党である。そうした根本的な信念・姿勢なしに政治などできない。

地方議会の二元代表制というのは、議員が思想信条・主義主張を消さないと成り立たない仕組みではない。それぞれの議員がそれぞれの立場から行政を監視し、議論をたたかわせてより良い自治を進めることが望ましい。

また「反対ばかり」というイメージがあるというかたもいるが、そうではない。個別の議案についての議決結果をご覧頂ければそれは明らかであるし、そもそも反対するということは厳しくチェックをしていることの証左であり、容易には認めないぞという姿勢をとることは、権力の腐敗に対する最大の歯止めである。悪いことなどではないのだ。歩み寄りや交渉、議論にすら応じない権力側に対して、断固とした姿勢を貫くことは当然である。

もちろん、「政党は要らない」という考え方の人がいることは尊重したいが、私自身はそうした考えで議員となったのではない。更に言えば、議員となることが目的なのではなく、実現したい社会があり、その手段として「議員」という仕事を選んだのであって、議員以外にも様々な手段があることを認識している。社会運動であったり、研究活動であったり、本当に様々な手段があるうちのひとつが、議員という仕事なのだ。

そのうえではっきりと主義主張を表明して選挙に出て、選んで頂いたのであるから、これを「ないもの」のようにしろ、そのように振る舞えと言うご意見にははっきり反論したい。それは私に政治信条を曲げろと言っているのと同じことだからである。

市民のかたのなかにも時折、「政党色を出さないようにして」というアドバイス(!)をして下さるかたがおられるが、とてもびっくりする。
例えば自民党の議員に向かって同じことを言うとは思えないし、なんのための選挙か、とさえ思う。

社民党所属として当選し仕事をしている私に対し「無所属でやったらいいのに」などという「アドバイス」を下さるかたは、そもそも考え方や手段についての立場が全く異なっている。そのような信条のかたは、私ではなく最初から「無所属」あるいは「政党は不要」という考え方の候補者、議員を応援するのが自然である。
私は考え方の異なる市民のかたとももちろんお話をするし、ご要望やご相談も承るけれども、譲れないことについては、はっきりそのようにお伝えしている。

これについては以前、支持を受けていた緑の党のメンバーのかた(先方の運営委員含む)複数人から「無所属で出るべき」という干渉があったため、約束違反である旨を抗議し、7月をもって緑の党との関係を解消した。そもそも4年前、私は社民党公認で立候補するので他党の推薦や支持は、その立場を尊重して下さらない場合はお受けできないことを再三お伝えして「それでも支持を出したい」ということで支持という形になった経緯があるので、とても残念である。

政党同士が細かな違いを乗り越えて手をとりあい、連帯することと、他党の者に対して政党人としての立場や考え方を捻じ曲げることを要求することとは全く異なる。それを誤解しておられる方がおられたことは、とても残念である。

私は社民党公認でなければ「議員」という手段を目指すことはあり得ないし、それができないのであれば議員以外の他の手段をとりたい(例えば、共産党のかたであれば共産党以外の政党から立候補しようとは思わないだろうし、公明党のかたも公明党以外の政党から立候補はなさらないであろう。私の場合もそれと同じことである。また、もちろん「どの政党の考えとも異なる」という立場で無所属を選んでいるかたもおられるし、そうしたかたのことは当然リスペクトしているけれども、私は政党を簡単に移ったり、安易に入党したりということにはやはり賛成できない。それは政党を絶対視するということではなく、主義主張を曲げない、変えないことの表明だと思っているためである。もし政党自体が方針や政策をコロコロと変えるのならば、政党に所属する意義もないと感じるが……)。

あくまでも「議員になること」は目的ではなく手段であって、選挙に出ること、議員になることが目的になっているようでは、社会変革をしたいという本来の目的など消えてしまうと思っている。

「議員になりたいから」と、思想信条もなく「強い政党」に集まる人ばかりでは、権力はますます腐敗し、豊かな社会からは遠ざかるばかりであると思う。まやかしの「成長」や「豊かさ」を旗印にした制度改革や法整備が強引にすすめられ、命と生活が脅かされる日々が続いてしまう。

 

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