あずさジャーナル
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交通政策からみる都市づくり/バス事業者の皆さんとの懇談

2018.07.05

7 月4日、交通対策特別委員会が行われた。特別委員会とは、議員の調査研究を目的として、特別に取り組むべきテーマを設定して開催される。現在八王子市には、都市づくり・ニュータウン対策特別委員会、交通対策特別委員会、復興支援・防災・危機管理対策特別委員会、次世代支援・高齢社会対策特別委員会の4つがあり、私は昨年6月から交通対策特別委員会の委員となっている。

 交通対策特別委員会は、①公共交通システムの構築に関する調査研究、②交通不便地域の解消に関する調査研究、③総合的な自転車対策に関する調査研究、④渋滞対策に関する調査研究、が付議事項である。
 昨日議論されたのは、八王子市都市計画部交通企画課からの報告「路線バスの現状とはちバス運行内容の一部変更について」である。
 私は、八王子市が今後の都市計画の方針として「拠点・沿道ネットワーク型の都市構造」を掲げていることから、地域のなかの拠点と拠点を交通ネットワークで結ぶという構想においては、現在ある公共交通網を軸に考えるだけでなく、住民からの新規路線開設の要望が大きいエリアや、過去に路線が通っていたが大学の移転や事業者側のルート再編など外的な要因で路線廃止となったエリアの潜在的・継続的な移動手段確保のニーズを拾い直すことが重要であると述べた。
 更に、人口減少・少子高齢化に対応した新たな都市づくりとして今後八王子市でも進めていく「立地適正計画」においては、例えば都市機能や居住機能を誘導するエリアの設定が行われることが予想される。これが進むことによって、仮に、新たに設定されたエリアのなかで「拠点」や「交通ネットワーク」の在り方が検討された場合、居住誘導のエリアから外れた地域にその後も住み続ける住民は、ますます孤立する危険がある。
  現在も八王子市では事業者の協力のもと、交通空白地域での「はちバス」の運行や乗り合いタクシーの運行がなされているが、まだまだ交通空白地域の解消には遠く、需要と供給のバランスがとれていないのが実情である。公共交通のありかたは都市計画と緊密に連携したものでなければならず、現在の地域ごとの移動手段のニーズ調査を行うとともに、土地の利用方針との整合性を詰めていく必要がある。
 また、委員会の中で他の委員から「交通政策は福祉政策である」という提起があり、これには深く賛同した。私は以前から市議会定例会の一般質問等で、今後は都市計画と福祉政策を融合させて考えていく必要があると主張している。
  地域包括ケアシステムの推進における高齢者あんしん相談センタ―の増設や、世代を超えた福祉の総合プラットフォームとしての地域福祉推進拠点の整備をする際に基準となる「日常生活圏域」(おおむね30分以内に必要なサービスが提供される区域)については、都市計画上の「拠点」を考える際に必ず考慮しなければならないと考えている。
  例えば、都市計画と福祉政策を結びつける切り口として住宅政策があるのではないだろうかと考え、市内に点在する大規模住宅団地の高齢化・空き家化を切り口とし、大規模住宅団地をミニ・コミュニティとして再生し、これをひとつの「拠点」ととらえて、そこに福祉や子育てなどの機能を集積していってはどうかという提案を行った。
 昨日の特別委員会での議論において、他の委員(しかも普段は意見・主張が相違することの多い党派・会派の方々)から、「交通政策は福祉政策」というキーワードが出されたのは大変うれしく、市が抱える課題を、党派の別を超えて考えていけるかも知れないという希望を感じた。私は「交通政策は福祉政策」の先にはやはり「都市計画は福祉政策」があると考えているので、もうひとつの切り口としての「公共交通」について新しい提案も浮かび、大変重要な議論の場であったと感じている。
 委員会終了後は市内のバス事業者の代表者のかたにお越しいただき、懇談会を行った。
  事業者側は、京王電鉄バス株式会社、西東京バス株式会社、神奈川中央交通株式会社の3社がお越しくださり、①路線バス運行における課題、②バス路線網再編の予定、③バスターミナル(乗換所)の整備、④バスの乗り継ぎ割引、⑤コミュニティバス(はちバス)運行における苦労、⑥バス停における上屋・ベンチの設置、⑦人口減少・超高齢社会におけるバス会社の将来展望について意見交換が行われた。
 各社から寄せられた意見としては、経営面および人材育成を考えるうえでの課題を共有したいというものであった。市民の生活を支えてくれる公共交通だが、ドライバーの確保が年々困難になっており、地域から新規路線開設の要望があっても、それに応えられるだけの人員体制を敷くことが出来ない、  既定の路線を維持することにも苦しさがあるのこと。
 路線バスを運転するための大型二種免許は、21歳以上で普通免許を取得して3年以上経過していなければ取得することが出来ないため、高校卒業後に会社に入社した人が最初は別の業務に就き、その後免許を取得してドライバーとなるというケースもあるのだという。ドライバーが足りないといって、すぐに有資格者を確保することが出来ず、路線拡大及び維持が困難となっているのだ。
 一方、神奈川県内の例によると、ある地域はシルバーパス利用の人でバスが満席になるほどニーズが高く、今後高齢化により自動車免許の返納がすすむと、この傾向はますます高まるだろうと予想される。しかし、乗り継ぎ利用が少なく、運行のニーズはあるけれども、料金との関係でいえば既定路線の半数が赤字になっているという報告もあった。
 私が考えるのは、行政の様々な施策とのタイアップ路線の開設である。例えば千葉県流山市では、主要な駅に子どもを送迎すると、駅から出るバスが保育園をまわっており、めあての施設に着けるというシステム「送迎保育ステーション」がつくられている。保護者は仕事に出勤する際に駅で子どもを預けてバスに乗せ、自身はそのまま電車で移動ができるという仕組みだ。
 目的別のバス路線を組む――、例えば「福祉系路線」などとして、高齢者施設・福祉施設と病院、市役所、駅を結ぶルートなども一案である。福祉施設も人員不足であり、送迎の役割を公共交通に補ってもらうという利点があるのではないか。もちろん、ヘルパー資格、保育士資格など有資格者の同乗も必要となるだろうし、利用者の特性に応じたケアが求められるとなると、個別施設の担当ワーカーのようなきめ細やかな対応は困難となるので、容易には実施できないことでもある。
 現状では新規路線の運航は極めて困難であるが、「拠点と拠点をネットワークで結ぶ」都市の在り方として、一案ではないかと思っている。
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