あずさジャーナル
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議員「本来の仕事」に関して、ジャーナリスト伊藤隼也氏のご意見へのリプライ

2018.07.04

昨日の投稿に対して多くの反響を頂いており、拙い文章を読んで下さった皆様に心から感謝申し上げるとともに、ひとつ、大切なことを主張しておかねばならないため、連日長文を綴らせて頂くのをお許し下さい。

私が今回、サイバーハラスメントや「マンスプレイニング」の問題について意見表明をしたことについて、「市議会議員や政治家本来の仕事はSNSにおける評論ではない」というご批判を頂いたことがわかった。ツイッターをやめてしまった私にスクリーンショットの形で提供して下さった方がおられるので、自分の目でも確かめることが出来た。私の昨日のブログの文章が引用リツイートの中にあるので、私へのご意見、ご批判として受け止めている。

 

 

 

この批判をなさったのは、「とくダネ!」などにも出演しておられる著名なジャーナリストのかたで、伊藤隼也さんというかたである。
ご批判頂いたことには感謝を申し上げたいが、伊藤氏はじめ、しばしば同様のご批判を下さる方が誤解なさっていることがあるので、綴っておきたい。

まず、「議員、政治家の本来の仕事」とはもちろん、議会活動及び市民相談(市民、有権者の方々からの陳情やご意見への対応)である。これはどなたでもご存知のことである。
ここで重要なのは、議会には政策立案の機能および議会として調査活動を行うという権利があり、これには議会全体としてのみならず、個々の議員の調査研究の努力が必要となる。
議員は社会をより良い方向へ変革していくための社会運動ともしばしば連携をとりながら、市民の要望や提案を具体的な制度設計につなげていくことが求められるのである。

さて私はこの間、サイバーハラスメントの問題、そしてとりわけSNS上、ウェブ上での女性への攻撃は新たな人権問題であり、これらについての積極的な議論がなされることが重要だと主張してきた。
このことは、様々な現場で奮闘する若手への支援や、男女共同参画社会そして新しい時代のフェミニズム運動のあり方を考える上でも重要なトピックスであると考えており、議員としてさまざまなケースを把握するとともに、これらについての意見を表明していくことは、議員活動、政治活動の一環として意義のあることだと認識している。

また仮に、伊藤氏がおっしゃるように、議員がSNS上でこうした意見表明を行うことが「本来の仕事ではない」という考えを採用するのだとしても、私は今回綴った文章の中で、自分自身もサイバーハラスメントの被害を受けてきた当事者の1人として書いておきたいという立場についても動機を述べている。

よって、今回綴った文章が「評論」であるという伊藤氏のご認識は、これまでの実体験も踏まえて問題を告発している私の身としては、いささか残念だなあと思うところである。ジャーナリストであられることからも、なぜ私がこうした意見表明をしたのか、という点をもう少し掘り下げて読んで頂けたらありがたかったのだが、私の筆力の問題もあったのかも知れない。ただ、問題を広く様々な方々に共有して頂くために、わかりやすく噛み砕いて綴るということは心がけているつもりであるので、いわゆる「公的な提言」などの形式からはかけ離れており、伊藤氏が「議員の本来の仕事ではない」とお感じになったのかも知れないと推察する。

最後に、伊藤氏からのご意見として、事業の中身をきちんと精査出来る立場にいることをしっかりと自覚した仕事をしてほしいとあるが、これは言わずもがなであり、真摯に受け止めたい。

残念なのは、伊藤氏のご意見が全体として「SNSで評論など“本来の”仕事ではないことをやっていないで、事業の中身の審査などをせよ」という苦言として伝わってくることである。
別の言い方をすれば、「SNSで意見表明などしていると“本来の”仕事ができないのではないか」とも受け取れるが、私はそもそもSNSの利用を縮小してきており、今回は現場で奮闘する女性への攻撃として看過できない事案であったこと、自身も当事者の1人として伝えねばとの思いに駆られて綴った文章であることも明記しているので、そのあたりを理解して頂けなかったのは非常に悲しいことである。

「議員本来の仕事」の定義については様々なご意見があるかと思うけれども、私は議員は広く様々な社会問題について自身の考え、意見を持ち、それを折に触れて発信していくことが大切だと思っている。有権者の皆さんは、選挙の際に、候補者が掲げる政策を見て投票行動を決定されるのだと思うけれども、ならばその政策が、候補者のどんな主義主張、考えのもとに掲げられるに至ったかということも、合わせて知りたいのではないかと思う。
例えば、「貧困にあえぐ家庭に支援を」と提案する候補者、議員がいたとして、その動機が、

1.生産年齢人口が減少する中で、とにかく出生率を上げねばならない・将来の働き手確保のためにこの層に投資したい

という考えに根ざしたものであるか、あるいは、

2.格差が拡大し、健康で文化的な最低限度の生活を送る権利が脅かされている・富の再分配も含めて、社会構造のあり方にメスを入れたい

という考えに依拠したものであるかは、掲げる政策の言葉が同じであっても、制度設計の中身や手段が大きく異なってくるのである。

経済成長を重視した視点からの政策なのか、あるいは福祉政策サイドからの政策なのか、またはその両輪なのか、候補者および議員の見解、これまでの主張を知っておくことは極めて重要である。

各種政策についての立場は党派の中にもグラデーションがあり、党派の名前を見ただけでは一概に判断できないことからも、個々の候補者や議員の意見や見識は、主権者として参考としたい情報ではないだろうか。

相変わらずの長文で、お読み頂く方々には申し訳ない思いでいっぱいだけれども、議員・政治家がしていくべき「仕事」として、自らの立場や社会問題への見解、分析を発信することは意義深いと私は考えている。もちろん、SNSばかり、ブログばかりで議会質問が疎か、市民相談が放って置かれている、ということになれば問題だが、私はこれまで伊藤氏がおっしゃるところの「本来の仕事」にも専念してきたと自負している。

ご意見、ご批判は真摯に受け止めつつ、私のほうからは、伊藤氏には今回の事案にとどまらず、若者やマイノリティ、女性をめぐる新たな社会問題や人権問題への取材と分析を心からお願いしたい。ご専門分野とは異なるかもしれないけれども、様々な切り口があると感じている。

私などよりもはるかに社会的影響力があり、発信の場としても沢山の可能性をおもちのかたであるからこそ、信頼申し上げたい。

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