あずさジャーナル
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2018年度予算の採決が行われました/生活保護費引き下げに反対する意見書

2018.03.27

本日の本会議にて、2018年度八王子市一般会見予算及び各特別会計予算、並びに関連諸議案が賛成多数で可決となりました。私たちの会派及び共産党市議団はこれらに反対しました。

また、議員提出議案として提出した「生活保護費引き下げに反対する意見書」の審議もありました。

この意見書に対しては、共産党市議団が賛成討論を行い、諸派の立憲民主党・小林ひろえ市議も賛成を表明しました。私たち「生活者ネットワーク・社会民主党・市民自治の会」はもちろん賛成です。

しかしながら、自民党会派、公明党会派、市民・民進クラブの会派、及び諸派・無所属の反対により、否決となりました。反対討論は行われていませんので、反対の理由はわかりません。大変、残念です。

以下に、私が行った提案説明を掲載します。

 

議員提出議案 第2号「生活保護費引き下げに反対する意見書」
提案説明
◆2018年3月27日(火)
◆社会民主党 佐藤 梓

 

生活保護は、国民の生存権とそれを守る国の責務を定めた憲法第25条に基づいて、国民に健康で文化的な最低限度の生活を保障するための制度です。格差と貧困の拡大により、この制度を必要とする国民が増え続けています。
しかし、2018年度予算案及び国会に提出された生活保護法改正案によって、生活保護の生活扶助基準額が18年10月分から段階的に削減され、最大で5%の減額となり、67%の生活保護世帯の受給額が減少します。また、母子加算についても、平均2割削減される予定となっています。

生活保護基準は、最低賃金や地方税の非課税基準、各種社会保険制度の保険料や一部負担金の減免基準、就学援助などの諸制度と連動しており、低所得者層を中心に生活保護を利用していない市民生活全般にも多大な影響を及ぼすことが懸念されます。本市においても、このたびの予算審査の質疑のなかで、このことに関する議論がありました。生活保護基準の引き下げがなされた場合、本市における諸制度への影響について、それぞれの影響額がどの程度になるのかということが現時点で試算されておらず、明らかになっていません。また、就学援助に連動させないことを継続してほしいとの要望がなされましたが、これについても、明確な約束はなされていません。

今回の見直しは、低所得者の中でも最下位の所得階層と生活保護世帯の消費実態を比較し、生活保護基準を第1・十分位層、すなわち所得階層を10に分けた下位10%の階層の消費水準に合わせるという方法で行われました。しかし、生活保護を利用する資格のある人のうち、実際に利用している人が占める割合すなわち補足率が2割以下といわれている状況において、第1・十分位層の中には、生活保護基準以下の生活をしている人たちが極めて多数含まれています。この層を比較対象とすれば、際限なく基準を引き下げ続けることになり、「健康で文化的な最低限度の生活」の水準自体を引き下げ、貧困のスパイラルを深めることになりかねません。

見直し案を審議した社会保障審議会生活保護基準部会の報告書でも、検証結果を機械的に当てはめると、子どもの健全育成のための費用が確保されないおそれがあることや、一般低所得世帯との均衡のみで生活保護基準を捉えていると絶対的な本来あるべき水準を割ってしまう懸念があることに注意を促しています。

今月19日、生活保護問題対策全国会議は、今国会に提出された生活保護法改正案等には、単なる払い過ぎの保護費の返還債権を、税金同様に、破産しても免責されないようにしたり、生活保護利用者だけジェネリック医薬品の使用を強制したり、薬局の一元化を求めたりするなどの大きな問題があるため、到底容認できるものではないとして、厚生労働省に意見書を提出しています。

同時に、生活保護問題対策全国会議のメンバー及び当事者、関係者らが厚生労働省を訪れ、生活保護基準引き下げ撤回などを求める署名及び要望書を提出していますが、当事者の声を直接聞く場を持つかどうかについて、安倍総理が今月5日の国会答弁で示した「担当の大臣、あるいは役所からしっかりと承りたい」という内容とは裏腹に、厚生労働大臣、副大臣、政務官ら政務三役への面会は叶わず、当事者の思いを三役に直接届けることができずにいるとのことです。

更に、日本の子どもの貧困率が13.9%となり、7人に1人が貧困です。特にひとり親家庭の子どもの貧困率は高く、母子加算の削減は、子どもの貧困を更に悪化させるものとなります。厚労省の調査報告からも明らかになっている通り、母子世帯の8割が就労しているにも関わらず、非正規従業などにより所得が低くなっており、母子加算はひとり親世帯にとって極めて重要な命綱です。

政府が閣議決定した生活保護法、生活困窮者自立支援法、社会福祉法、児童扶養手当法の4法一括の改正案では、高齢の生活保護受給者向けの住宅の整備や、子どもの貧困対策として進学支援、学習支援などが盛り込まれていますが、これらは貧困の連鎖を断ち切るための抜本的な対策であるとは言えず、なお課題が残されています。学習支援は改正案では、子どもの「学習・生活支援」として、生活支援とセットで実施することとしていますが、支援事業の予算については厚労省が、食事提供のための「食材費」につかうことを認めない方針です。貧困世帯の子どもは栄養不足に陥りやすく、現在、民間ボランティアなどによる「子ども食堂」の取組みがなされていますが、現場からは、善意のボランティアに頼る部分が大きいままでは支援事業として不十分であるとの指摘がなされています。

こうした側面からも、生活保護費のうち、生活費にあたる「生活扶助」の削減がなされることは、子どもたちの日々の生活、とりわけ成長期の発育が阻害されるなど、懸念は大きくなります。生活保護費の引き下げは、子どもの貧困をなくす取組みに逆行するものとなってしまいます。
また、そもそも貯蓄すること自体が許されない生活保護受給者は日々の安心な暮らしが脅かされることとなり、働きたくても病気や障害のために働けない人や、高齢者など就労が難しい人の生活費を切り詰めるべきという判断は間違っており、最後のセーフティネットとしての生活保護の役割、機能そのものが損なわれてしまいかねません。

生活扶助費は、住宅の整備やや子どもへの支援に置き換えられていいものではなく、すべての受給者、すべての子どもたちが「健康で文化的な最低限度の生活」を保障されるためには、まず生活扶助基準の引き下げを撤回し、最低生活費の算定に当たっては、「健康で文化的な最低限度の生活」を保障する額にすることが必要です。

生活保護世帯の子どもたちが一般世帯の子どもと比べて特段の制約を受けずに育つことができるようにするために、子どものいる世帯の生活保護基準をこれ以上引き下げないこと、子どもの貧困問題や貧困の連鎖の観点から生活保護制度のあり方を検討することが重要です。

よって、この意見書は、国会及び政府に対し、生活保護基準の引き下げを取りやめ、貧困の連鎖を解消すること、とりわけ子どもの貧困対策を速やかに、より実効性を高めるものとするよう強く求めるものです。
何卒、議員各位のご賛同を賜りますようお願い致しまして、提案説明と致します。

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