あずさジャーナル
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自由な空気のある場所から

2017.09.15

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本日、上智大学大学院 言語科学研究科 言語学専攻 言語聴覚研究コースを修了し、言語学修士の学位を得ました。少し長い文章をつづりたいと思います。

2013年の春に入学し、通常ならば2年半後の2015年9月に修了するカリキュラムのコースですが、市議会議員となって休学等を挟み、2年遅れの修了となりました。ここまで応援して下さった皆様に、心より御礼を申し上げます。

私が在籍していたコースは言語聴覚士の資格取得を目指すものですが、仕事をしながら学外実習を行うことは難しく、イレギュラーな日程で受け入れていただける施設、病院等も見つからなかったため、残念ながら言語聴覚士の国家試験の受験資格を得ることは出来ませんでした。

議員になるということを決めたとき、専攻の先生がたとお話をするなかで「資格取得は諦めざるを得ない」という状況になり、そのショックから、自分はこの先何のために学ぶのだろうかと色々と考えてしまったのですが、「せっかくここまで勉強してきたのだから、修士号だけはしっかり取得して終えよう」と決めました。

そうした決心をするまでには紆余曲折ありました。まず、資格取得ができないのであれば、実験などをともなう調査による研究は再考すべきではないかという指摘を受け、さてどうしようかと悩みました。計画案面接も終え、実験協力をお願いする手はずも整えており、ここまで来てやめるのか、と悔しい思いもありました。

そこで、いったん休学して考えよう、と仕事にまい進することにし、2015年度はとにかく仕事漬けの日々を送りました。人間、行き詰ったら、悩みの本体から距離をとってみることも重要で、仕事漬けの毎日は、かえって私に学問への意欲を取り戻させることになりました。元気を取り戻した私はそれまで準備していた研究テーマを変えることにし、新たに別の先生にご指導を仰ぐべく、計画案面接も一からやり直して(そんな突飛な行動に出たのはどうも先例がなかったようですが)、在籍していたゼミも移りました。

新しく主査を引き受けてくださった先生には大変お世話になり、ゼミの仲間たちも闖入者の私をすんなりと受け入れてくれました。先生にも、在校生のみんなにも、感謝の気持ちでいっぱいです。修士論文執筆が佳境に入る時期には、ゼミ仲間と励まし合ったり、進捗状況を伝えあったりして、乗り切ることが出来ました。

そして何より、調査(内容は全く違いますが、結局「調査」自体はできたのです!)に協力して下さった方々のおかげで、私の修士論文は無事に完成しました。成績評価も思いがけずAを頂くことが出来ました。

正直なところ、私は自分の書いた修士論文はとても不出来なものだと思っており、恥ずかしい思いもあるのですが、いまの自分にしかできないこととして、「制度論の観点から失語症者の支援を見つめること」及び、研究で得た内容を政策提言に結びつけることを、少ないながらも達成できたことは、幸いだと思っています。実際の議会質問として投げかけることができたのも、障がい福祉の進展、次への一歩だと思っています。

言語聴覚士の資格取得がかなわなかったことは悔しく思っていますが、学外実習以外の必要単位はすべて取得しました。合計で104単位、総合成績のGPAは3.90です。まずまずではないか、と自分に言い聞かせています。そして、たくさんの知識を授けてくださった先生方に心から感謝の思いを抱いています。

 

修了したその日にこんなことを書くのも気が引けますが、今日まで我慢してきた思いがあります。それは、かつて大きな夢として抱いていた、社会学、社会思想分野で研究を行うことを、次の目標として復活させたいということです。

いつの日にかなえられる目標かはわかりませんが、10代の頃から抱いていた夢であり、何度も心の奥にしまっては取り出し、挫折していた夢でした。もし、いまいる分野での勉強を無事に終えられたら、自分にはまだ学ぶ資格が許されるのではないか、と思っていました。
いつかもう一度、学問を始める日を迎えられたらと、願っています。

さて、私が本日の学位授与式で着ているスーツは、なんと2004年の学部入学式の日に着ていたものです。19歳のとき、希望に燃えて四ツ谷のこの大学に入学しました。あれから13年の月日が流れ、社会人としてこの学び舎を出て離れてはまた戻り、という日々を送っているうちに、私は33歳となりました。これで本当に、この大学とはお別れなのだなあと思うと、込み上げるものがあります。

学位授与式を終え、2号館の玄関をくぐったら、懐かしいかつての恩師、ユェルグ・マウツ先生に遭遇しました。ドイツ語学科時代の恩師で、卒業後もドイツ語の特訓をしていただいた先生です。先生、修士号を取得しました!と報告したら、とびきりの笑顔で喜んでくださいました。

お別れ、なのだろうか、とふと思います。
イグナチオ教会の鐘が12時を告げており、風が吹き抜けていきました。四ツ谷のこの場所にはいつも自由な空気が流れていて、幸福な時も、選択に迷うときも、孤独に蝕まれるような思いのするときも、ここに来ると私は「また頑張ろう」と思うことができるのでした。

本当に何かとお別れをしなければならないときは、きっとこんな気持ちではないはずだ、とも思いながら、ひとまず、この大学に、そして学問の世界に、さよならと告げてみる日です。

見守って下さった皆様、支えて下さった皆様、ありがとうございました。

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