あずさジャーナル
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寄らば大樹の……幻

2017.07.28

LGBT自治体議員連盟が始動し、全国から沢山の議員が集まった。豊島区議の石川大我さんは、当事者として準備を進めて来たひとりである。
LGBTの権利獲得、法制化のために活動してきた大我さんは、福島みずほさんの秘書を経て議員になった。実現したいことが明確で、「だから議員になった」という人だ。

これに対して「政治家になりたいから、◯◯をする」というのは発想が逆だ。何でもいい、政治家になりたい、議員になりたい、だから出られるならどこの党でもいい、というのは本末転倒だ。
社民党は小さくなってしまったけれど、大我さんのような先輩がいてくれて誇らしい。私も胸を張って頑張りたい。

 

いま、この社会で生きる私たちはいつどこにいても、どこかこころの中に「不安」が居座ってはいないだろうか。将来への漠然とした不安、現在の生活への切迫した不安、過去をやり直したくなる焦り……。不安な時ほど「寄らば大樹の陰」と、大きくて強そうなものに惹かれてしまう心理も生まれるだろう。

しかし現在の日本の政治を見渡してみた時に、「大きくて強そうなもの」は、果たして私たちの「不安」を救ってくれるだろうか。
「不安なのはあなたの努力が足りないからだ」「みんな苦しいのを我慢しているんだ」「自己責任」というメッセージが返ってくることはあれど、それ以上に何があるだろう。

不安が増大する社会の中で、私たちは「規範」から逸脱しないように、「変な人」にならないように、ピリピリと周囲の目を気にするようになってはいないか。我慢に我慢を重ね、「こんなに自分は真面目に暮らしているのに、どうして苦しいのだろう、誰のせいなのだろう」と訝しく思うのではないか。

「『寄らば大樹の陰」』にいるのだから自分は安全なはずだ、それでも苦しいのは、頑張っていない誰かのせいだ」。そんなことを思いつくかも知れない。こころから寛容さが失われ、苦しんでいる人を見ても「自己責任だろうし」と見て見ぬ振りをするようになるのかも知れない。本当は自分も苦しいのに。

「苦しい」と言い合える社会にしたいとみんな思っているはずだ。
そして政治は、その「苦しさ」を「あなたのせい」「誰かのせい」にしてはいけない。
少数派の声をかき消そうとする人たちは「もっと我慢しろ、みんな我慢しているんだから」と私たちの社会を窮屈に生きにくくするばかりだ。

私たちが苦しいと思うとき、「私がこれだけ苦しいならば、あの人はもっと苦しいかも知れない」と他者について想像できる分だけ、こころのなかに空き容量を作っておきたい。
「あの人の苦しさはもう限界かも知れない」「私だって本当はもう限界かも」。
そして思い至る。
「あれ、大きくて強そうなもの、助けてくれないんだな」。
大樹は幻で、苦しさを抱える私たちの味方ではなかったことが、くっきりと見えてきた。

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